coto、雑貨屋辞めるってよ
開店以来続けてきた雑貨屋を、この度正式に辞めることにした。
もともとcotoは、雑貨屋兼カフェとしてスタートした店だ。新しい伝統工芸のアイテムを、日常の中で使いやすい形にして紹介する。それが本来やりたかったことで、珈琲は正直なところ、毎日顔を出してもらうための入り口のようなものだった。器やアクセサリーをゆっくり見てもらうには、まず店に来てもらう理由が要る。そのための珈琲だった、はずだった。
ところが、である。珈琲というのは思っていたよりずっと奥が深くて、気がついたらすっかりハマってしまっていた。焙煎の火加減、豆の産地による違い、抽出のたびに変わる味。知れば知るほど気になることが増えていって、雑貨のために始めたはずの珈琲が、いつのまにか主役に躍り出ていた。福井で一番浅煎りを名乗るようになるまで、数年かかった。その間、雑貨は棚の奥でずっと出番を待ってくれていたように思う。
そうしているうちに、気がついたらお取引のないメーカーさんから、すごく好きな新商品が出ていた、ということが増えていった。前はお取引がなくても発売日にはちゃんと把握できていたはずなのに、それができなくなっていく。自分の中で一番好きだったはずのジャンルの情報に、いつのまにか疎くなっている。それに気づくたびに、悔しい気持ちになった。珈琲に夢中になっていたことと引き換えに、雑貨に対する熱量というか、アンテナの感度みたいなものが、少しずつ落ちていたんだと思う。
そうやって少しずつ距離ができていったものを、中途半端なまま棚に置き続けるのは、作り手さんに対しても、手に取ってくださるお客さんに対しても、あまり誠実じゃない気がしていた。だから、ここで一度きちんと区切りをつけることにした。
これからcotoは、焙煎所として、カフェとして続けていく。そのために、雑貨という、もともとの主役だった部分は、ここで一旦手放そうと思う。
2026年8月から、売りつくしのため雑貨全品40%OFFのセールを行っている。これまでcotoの棚に並んでいた伝統工芸のアイテムは、すべて対象だ。期間は9月末までを予定している。気になっていたのに買いそびれていたもの、このタイミングでぜひ手に取りに来てほしい。



